夕暮れの彼は

日が落ちて赤く燃えるように光っている。
学校の中、薄暗い中にいる私は夏の風を少し浴びた。

夏の学校は夜なのにまだ明るい。
部活動の終わり際、私は教室に忘れ物を取りに行った。
赤く照らされた廊下を淡々と歩く。

足音は私だけ。
ここで今、風と一体になったのも私だけ。

ガラッと教室を開けた。
「おかえり」
赤い光りをうけて、ぼんやり映る人を眺めた。
逆光はその人を更に綺麗にさせた。

「ハヤト、何してるのよ」
私は声に出した。
「ずっとツララのことを待ってたんだ」
彼はそう答えながら近寄り、私の頬に優しくキスをした。
「わ、な、何すんのっ」
「うぁ、ツララ汗っぽいー」
「ばっ、ばかっ!」
彼はニコッーと笑いながらそんな私を見つめていた。

そんな彼を私は憎めないし、嫌いにもなれない。

「あ、私、忘れ物取りにきただけだからっ」
「えー、一緒に帰ろうよー」
「え、あ、でも・・」

口ごもる私に彼は優しく頭を撫でてくれた。
「んーっと、ツララが嫌なら別にいいけど、俺は一緒に帰りたいな」
またニコッと笑って言った彼に、私は勝てる気がしない。
「じゃあ、一緒に帰ってあげても・・いいよ・・?」
「あはは、ツララは素直じゃないんだからー」

私は顔を赤くして言った。
彼は笑いながら言った。

「行こっか、ツララ」
手をのばした彼に私は答えて手をのばす。
指がからみあって、彼の体温を感じる。

夕暮れの中、歩く私たちに光りが照らす。
あたりには誰もいない、私たちだけ。

「ねぇ、ハヤト」
「うん?」

「・・好きだよ・・」

私は彼の隣りで呟いた。
彼は顔を赤くした。

「俺もツララのこと好きー」
そう言って彼は私の手を両手でぎゅーっと握った。

私達は笑いながらその夕暮れの道を進んだ。

まだ日は明るいまま。
私達は赤い日に向かって歩いた。

学校行く時に電車ン中で黙々と携帯で打ってました。
ハヤトの一人称って何かなぁって考えつつ。。友達は僕派らしいけど、うーんうーん。
でも優等生だもんね、僕なのかなー。。
とか、もうただの恋愛小説っぽいですが・・!恥かしい・・!!
こうゆうのも大好きです。ただラブラブが書きたかったというかなんというか、、

2004/07/22