夏。暑い日が続く。
そんな今日、私は大好きなキミと一緒に‥。

夏の足音

日差しが眩しい今日、私はししゃもと二人、歩いていた。

とことことこ‥
私の足音。
とっとっとっ‥
キミの足音。
小さいキミが私の後ろ。ついてくる。
でも‥やっぱり我慢できないっ!

ガシッ!

手でキミを持ち上げて、高く高く。
体がびょーんと伸びたキミを見る。驚きの顔。
私は見つめてにっこり言う。後ろよりずっと近くにいるキミがいい。

「私の胸にとびこんでおいで!」
なんて、恥ずかしいセリフも、キミには言えちゃう。

ししゃもは、ぴょんっと私に掴まる。離れてるより、近くが好き。
両手でしっかりキミを抱いて、私達は歩いた。






「‥え?どうゆうこと?」
「だーから、動物はダメなんだって」
「‥暴れたりとかもしないのに‥?」
「だめ」
「‥睦月くんいるよ?」
「まぁ、動物じゃないからな」
「‥ししゃもは‥?」
「だめ」

私達は今、近くのプールまで来ていた。
でも、そこでアルバイト中のリュータくんが私達を止める。
プールにししゃもと二人で入りたいだけなのに。

「動物専用んとこもあるけど、そっちは嫌なん?」
リュータはそう、口を開いた。
「‥私は嫌‥」
一緒にいられないなんて、嫌だから‥。
「そっちは?」
リュータはさなえちゃんに抱き抱えられていたししゃもにも問い掛けた。
しかしししゃもはさなえちゃんの方を向いて、離れようとしなかった。
「ったく‥じゃあここじゃ無理だから、他あたってくんね?」
「他って‥?」
「んー‥大抵のプールが無理だろーし‥海でも行けば?」
「‥海!」








そこは、青くて、蒼くて、
すごく、すごく綺麗だった。


「‥っごいねー!!」
「‥にゃーーーっ!!」

ザザーッと聞こえる波の音で、声が少し、少し途絶える。
私達は海を見てはしゃいだ。たくさん、たくさん叫んだ。
風が吹く。波の音が聞こえる。潮の匂いがする。
「‥綺麗‥」
そんな言葉しか出てこなかった。

ただ、見つめるしかなかった。




すると、ふと、宙に何かが浮くのが見えた。
「‥あ、私の帽子!」
帽子が、宙を舞って空に飛ぶ。空に、空の上に。それは、海に向かっていた。
「ま、待って!」
大事な私の帽子。いつも、いつもかぶっていて。なくなるなんて嫌‥!

走って追いかける私を見て、ししゃもは私から離れて急いで走って、飛んだ。


光に向かって、キミは、飛んだ。


ガシッ‥




パシャーーーンッ









大きな音が、辺りをこだました。
ししゃもが、空から海に飛び込んだ。


「‥ししゃもっっっ!!!!」
私は慌てて海に入った。

ししゃも、ししゃも‥!!!!






パシャッ‥

私の目の前に、ひょこっと海の中から、ししゃもが顔を出した。
「にゃー‥」
そう小さく言うと、ししゃもは口にくわえてた帽子を差し出した。

「‥ししゃも‥」
「にゃー‥」




ぎゅっと抱き締めて、抱き締めて、私は言った。







「‥ありがとう」









ピチャ‥ピチャ‥
私の足音。キミの足音。
同じ音。

私達は、はにかみながら進む、進む。






「ねえ、ししゃも」
「にゃ‥?」


私はキミに、スッと手を伸ばして抱き寄せて言う。

「‥また来年も、来ようね」

そうキミに笑って言うと、キミも笑って言った。
「にゃー!」
もちろんって‥。






今度は一緒にあの海で、キミと二人、泳いで遊ぼう。
キミがくれたこの帽子も持ってさ。





来年も一緒に‥。

久し振りにさなししゃ・・!電車の中で黙々と携帯打ってました。誤字あったらすみません;
さなししゃを書いていると、さなえちゃんは普通のさなえちゃんじゃない感じですね・・!!(普通ってどんなんだ
というか自分の中で妄想するに、さなえちゃんは本当にししゃも大好きっ娘なので(なので。
さなえちゃんって帽子かぶってるイメージ。強い。リエちゃんもかも。帽子何気かぶってるよね?
ししゃもが帽子かぶったらどうなるよ・・ぶかぶかだね・・!ああぁ、それはそれで可愛いや←
そんなししゃもを見て、さなえちゃんがフフッて笑ってししゃもをツンってして・・(妄想中・・
やっぱりさなししゃが大好きです(ノ´∀`*)純情です。動物愛。

2005/07/20