・・突然現れたアナタは今、ドコで何をしていますか?

風が吹く日、少しだけ何かを思い出せそうで・・。

風のコエ

その日の私は、彼とケンカして一人で、淋しく街を歩いていた。
この時の天気は気持ち良いほど、『晴れ』。
気分的には雨と言ってもイイのに、私は何もする気になれず、
ただただそこを歩くだけだった。

そんな時でした。
私の目の前を通った一人の影。

ドンッと私とぶつかると、痛そうにして頭をかきつつ、私を見た。
怒られると思ったが、目の前の人は「ごめんね」と言って、
スグにどこかへ行ってしまった。

不思議な人だった。
「私より小さいのに・・しっかえりしてる人・・」
そんな彼が気になって、私はいつしか彼を追いかけていた。

その彼はとても早く走る、走る。
それでも何故か私は楽しくなってきて走る。


風があたる。
風を切る。

私はここにいる。


すると、彼は止まって私の方を見た。
私はドキッとして立ち止まった。
「・・キミじゃここにいちゃダメだよ、待ってる人がいるから」
と、言って彼はまた走った。

私は訳がわからず、それでも追いかけた。
「待ってよ、それどうゆうこと!?」
私は問いかけた。すると彼はこう言った。

「キミは今、風だから―――」

「!?」

その瞬間、彼は私と宙に浮いた。
風に乗って、空に飛んだ。

「な、何!?」
私は驚いた。
「・・だからダメだって言ったでしょう?」
彼は言った。
「ど・・どうゆうこと・・!?」

「・・ボクは風、だからあキミを巻き込んでしまった、そうゆうこと」
「何それ・・訳わかんな・・!!」
私がそう言いかけると、彼はスグ言う。

「こっちに来てよ」
風と言う彼は、グイッと私を引っ張ってドコかに連れていく。

風に乗って私はいつしか記憶がおぼろげになる。
体が浮いて、浮いて。





「着いたよ」
その声に、ハッと目を覚ます。

「・・ここ・・」
私の彼氏の家だった。
彼は淋しそうにしてベッドの中で横たわっていた。

「・・キミは、彼の傍にいないとダメだよ」
「え・・?」
「彼はずっとキミを待ってるから」
そう言うと風の彼は、私を地上に下ろした。

「それじゃあね」
風の彼は空を走る、走る。

私は叫んだ。
「ご、ごめんね、ありがとう!!」
すると、ニッコリ笑って言う。

「またね、シズ」

風の彼はそのまま消えていった。



・・彼は風自身だったのかな、なんて考えた。
風に乗って、私のことも、きっと。



私はすぐに彼氏の家に行き、仲直りをすることにした。
仲直りした日、私は今日のことを話そうとした。
しかし。

「・・あれ・・何だっけ・・」

何故か思い出すことができなかった・・――





別の日、外に出て、冷たい風があたる。
その時ふと後ろを振り返る。
わからないけれど、誰かがいた気がして。
けれど、何故か変にイヤな気がしなかった。

「・・ありがとう」

そう口ずさみたくなった。





きっとずっといつまでも見守っていてくれる。



あの日のことを思い出せなくても、
いつも、キミたちをボクはみているよ。

授業で行ったストーリーです。テーマは風。
何かいつもと書き方が違うので話が自分でもわかりにくい。。。
最後とかどうなってるのか(´・ω・`)
女の子の名前が最後にしか出ませんしね・・!?シズちゃん。
風の子は特に名前は考えてませんでした。もちろんシズちゃんの彼氏も。
空飛んでみたいなーなんて。高いところ苦手ですが。でもふわって。軽くなりたい。
そういえば何か珍しく日本の子じゃないですね。

2005/01/16