HAPPINESS〜出会いの翼〜
村の中でも、一際明るくて優しい"コルク"は、村外れの森に行くのが大好きだった。
鳥の声や、風の音、全部ひとり占めにしたいくらいに。
そんな時だった。
コルクはいつものように森に遊びに行くと、一匹の猫が倒れていた。
「・・・猫?何かぷよぷよしてヌイグルミみたい・・・」
地下よってみるよ、その猫は傷だらけだった。
そして・・・
「黒い羽・・・!?」
この国の猫は"天使猫"と呼ばれ、普通の猫は白い羽を持っていた。
黒い羽を持った猫は、不幸を呼ぶと言われていて、人々は黒い羽の猫を避けていた。
「でも・・・ケガしてるし、ほっとけない・・・!!」
コルクはその猫を家へ連れて帰った。
これがコルクと"ハピネス"の出会いだった。
家に連れて帰って、親にバレないようにコルクは部屋で看病した。
不思議なことに、その猫はコルクが看病し始めるとスグに目を覚まして、声を発した。
「・・・にゃー・・・」
「あ、大丈夫!?」
コルクは元気になってきたその猫を見て言った。
すると猫は元気そうに鳴いた。
・・・不幸を呼ぶ猫には、全然見えなかった。
コルクはその猫に幸せという名で"ハピネス"と付けた。
コルクとハピネスは時間が経つにつれて、凄く仲良くなった。
幸せだった。
しかし、そんな時間も長く続かず、ハピネスがお母さんにバレてしまった。
お母さんは「早く捨てなさい!!」と、ハピネスをつかみ、外へ放り出した。
その途端、お母さんはいきなり倒れてしまった。
「お母さん!?」
コルクはビックリした。泣きながらお母さんをさすった。
そして、一言呟いた。
「・・・ハピネスがやったの・・・?」
ハピネスは首を振った。違う、と言うように横に振った。
しかし、コルクはそんなハピネスを見つつ、喋り出した。
「ハピネス・・・あたしのコト・・・幸せにしたくないの・・・?」
お父さんを小さい頃亡くしていたコルクは、お母さんだけが家族だった。
コルクはハピネスを睨んで言った。
「・・・お母さんに何かあったら・・・許さないんだから・・・!!」
バンッとドアを閉めて、コルクは家の中に入ってしまった。
ハピネスは、外に置き去りにしたままだった。
コルクはお母さんを一生懸命看病した。
でも、意識は戻らないままだった。
夜になって、コルクはお母さんの横で眠っていた。
すると、突然お母さんの体が光り始めるのが見えた。
「お母さん!?」
目を覚ましてお母さんを見た。
するとそこには、ハピネスがいた。
「何してんのよ、ハピネス!!やめてよ!!」
コルクはハピネスに触れようとした。
しかし、触れることができなかった。
「ハ・・・ハピネス・・・?」
するとハピネスはニコッと笑って、パァッと消えてしまった。
その瞬間、お母さんはゆっくりと目を覚ました。
「・・・コルク・・・?」
「お母さん!!」
コルクはお母さんに抱きついた。
お母さんは、前から病気であったことをコルクに告げた。
コルクはそれを聞いて驚いた。
「・・ハピネスのせいじゃなかったんだ・・・どうしよう・・あたし・・・」
ハピネスがいない。
そこにあったのは、ハピネスの黒い羽だけだった。
「ハピネス・・・」
あたしはその羽を手に持ちながら泣き崩れた。
・・・不幸を呼ぶ猫だなんてウソ。
ハピネスはお母さんを救ってくれた、
幸せを運ぶ猫だった・・・―――
その時以来、お母さんはとても元気になり、病気も完治されていた。
コルクはまたいつものように、「いってきます!」と元気に村外れの森へ行く。
「・・今日こそ、会えればいいな・・・」
また、ハピネスに出会えることを信じて・・・―――
後期の進級審査課題でのプロットとして提出しました。
起承転結がちゃんと入っていればいいんですが。。
テーマは出会いです。平和か出会いのどちらかと言われてたので、出会いをテーマにしました。
このプロットで完成した漫画一部と表紙絵はギャラリー内の絵と課題のところでどうぞ。
キャラクター自体は別の課題で描いてたのでお話作りは結構簡単に進みました。
何気に自分自身書いた中で好きな作品です。てゆか猫出るの多いですね。。
たしか猫出るの多いねって先生にも言われました(´・ω・`)
2005/01/30